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もし、目の前で人が倒れたら?あなたにもできる、命を救う3つのステップ

こんにちは!
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今回はこの方から教えていただきます!

NPO法人ふるさと未来創造堂 
常務理事兼事務局長

中野 雅嗣(なかの まさつぐ)

「人とかかわり、地域と共に学ぶ」「地域をより深く知り、郷土愛を深める」よりよい未来を創る防災共育の推進・定着を目指し、未就学児から高校生、その保護者、地域住民を対象に、子どもも大人も「わくわく」する防災共育の企画や実践に取り組む。

「AEDって聞いたことあるけど、私には無理…」

そう思っているあなたへ。日本AED財団によると、日本国内では、突然の心停止で1日に200人以上もの方が亡くなっています。[1]
倒れたところを目撃した、あるいは物音を聞いてすぐに駆け付けた時、119番通報をして救急車の到着を待っていたのでは約7%の人しか救命できません。[2]
しかし、胸骨圧迫(心臓マッサージ)をすることで2倍近く、さらにAEDを用いた電気ショックが行われることで、突然の心停止の約半数の人を救えます。[2]

画像提供:日本AED財団

命を救うために知っておいてほしい3つのステップ

あなたの目の前で人が倒れた時、命を救うために知っておいてほしい3つのステップをお伝えします。

1. まずは落ち着いて!安全確認と反応の確認

突然人が倒れたら、誰でも焦ってしまいますよね。
でも、まずは落ち着いて、周りの安全を確認してください。車道など危険な場所であれば、安全な場所へ移動させましょう。[3]

次に、倒れた人に近づき、肩をやさしくたたきながら「大丈夫ですか?」と大きな声をかけます。
もし反応がなければ、次のステップへ進みましょう。
※呼びかけなどに対して、目を開けない、何らかの返答がない、目的のある仕草がない。このような場合やけいれんのような全身がひきつるような動きは「反応なし」と判断します。[3]

2. 助けを呼んで119番通報!

反応がない場合、大きな声で周りの人に助けを求めます。119番通報やAEDを持ってきてくださいと依頼してください。
AEDの設置場所は、AEDの設置ステッカーやAEDマークが貼られています。また、設置場所を表示する標識や看板もあります。その他、日本全国AEDマップ財団全国AEDマップ で調べる。119番通報時に聞くなどの方法があります。

周りに人がいない場合119番通報を優先します。119番通報をすると、通信指令員が呼吸の確認や手順を指導してくれます。電話のスピーカー機能などを活用して、指導を受けながら処置を行いましょう。

3. 命を繋ぐ胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAED

倒れている人が普段どおりの呼吸をしているか、胸やお腹の動きから確認します。普段どおりの呼吸がない場合は、直ちに胸骨圧迫を始めましょう。
※普段どおりの呼吸かどうかわからない場合や、判断に迷う場合も胸骨圧迫を始めてください。たとえ心停止ではない傷病者に胸骨圧迫を行ったとしても、重大な障害が生じることはないとされていますので、ためらわずに胸骨圧迫を開始してください。[3]

胸骨圧迫は、胸の真ん中を、強く、速く、絶え間なく押します。[3]深さは成人の場合は約5cm、小児は胸の厚さのおよそ3分の1が沈み込むように、速さは1分間に100~120回が目安です。[3]
※人工呼吸ができる人は、胸骨圧迫と人工呼吸を交互に行います。できない人やためらわれる場合は、胸骨圧迫を続けてください。

胸骨圧迫は大変疲れます。疲れてくると、効果のある胸骨圧迫ができません。119番通報から救急車の到着まで、平均で約10分かかります。[4]
救助者が2人以上なら、1~2分間を目安に交代して続けましょう。[3]

AEDの具体的な使用手順と注意事項

AEDが到着したら、音声ガイダンスに従って操作します。電気ショックが必要かどうかは、AEDが自動で判断してくれるので安心してください。

以下の3つのステップを覚えておきましょう。

① 電源を入れる

AEDの電源ボタンを押して、電源を入れます。カバーを外すと自動的に電源が入る機種もあります。

② 電極パッドを貼る

電極パッドに表示されているイラストに従います。胸の右上と胸の左下側の位置に貼り、電極パッドのコネクターを接続します。

③ AEDの指示に従う

AEDが自動で心電図を解析し、電気ショックが必要かどうかを判断します。 音声ガイダンスに従って、電気ショックのボタンを押してください。電気ショックを自動的に行うものもあります。この場合も、音声メッセージに従って行動してください。

注意点
  • パッドを貼る位置とその周辺が濡れている場合は、乾いたタオルや布で体の水分を拭き取ってください。背中や床は濡れていても問題ありません。[3]
  • パッドを肌に直接貼ることができていれば、服をすべて脱がさなくてもAEDは使用できます。ブラジャーのワイヤーやネックレス等の金属がパッドに触れないように注意しましょう。パッドを貼った後に、上から上着やタオルなどをかけても大丈夫です。[5]
  • 電気ショックを行う際は、誰も患者に触れていないことを確認してください。[3]

学んでみよう!救命講座

大切な人の命を守るために「もしもの時は私が何とかしなければ」と思う方も多いはず。しかし、本当にその時に対応できるか、不安な方がほとんどだと思います。意識のない生身の人間への対応は、訓練・研修等を終えたプロであっても、最初は戸惑うものです。「いざという時には私が!」と考えていても、頭で理解しているだけでは、なかなか行動できません

この機会に、講習会に参加して心肺蘇生法やAEDの使い方を学んでみませんか?
講習会では、人形を使って胸骨圧迫やAEDの練習ができるので、自信を持って行動できるようになります。あなたの勇気ある行動が、自分の大切な家族や、大切な家族のいる誰かの命を救うかもしれません。

おわりに

今回は、目の前で人が倒れた時に、あなたにもできることをお伝えしました。
その場に居合わせた人が勇気を出して行動することが、命を救うために非常に重要なのです。
この記事が、少しでもあなたの心に響き、行動するきっかけになれば嬉しいです。

【参考文献】

[1] 日本AED財団「AED20周年記念サイト」
https://aed20th.com/history.html

[2]日本AED財団「AEDの知識」
https://aed-zaidan.jp/knowledge/index.html

[3]総務省消防庁「一般市民向け応急手当WEB講習」
https://www.fdma.go.jp/relocation/kyukyukikaku/oukyu/01futsu/01oukyuteate-manabi/01_01_00.html

[4] 厚生労働省「令和6年版 救急・救助の現状 1.救急編」
https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/items/kkkg_r06_01_kyukyu.pdf

[5]東京都多摩府中保健所「女性に配慮したAEDの使用方法について」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/hokenjyo/tamafuchu/yakuji/aed_shiyo

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