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【コラム】食品ロス削減に貢献!食品の期限表示の違いを知っていますか?

・賞味期限と消費期限

スーパーの特売で食品の買いだめをして、気づいたときには賞味期限や消費期限が切れた食品が眠ってしまっていたという経験はありませんか?
期限が切れてしまったからといって、すぐにその食品を捨てるのはちょっと待ってください!
食品の期限表示には「賞味期限」と「消費期限」の2種類があります。

賞味期限は、袋や容器を開けない状態で、表示された保存方法を守って保存していた場合に、表示されている「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。

消費期限は、袋や容器を開けない状態で、表示された保存方法を守って保存していた場合に、表示されている「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。

一般的に賞味期限は、スナック菓子、カップめん、チーズ、缶詰、ペットボトル飲料など、消費期限が表示されている食品に比べ、傷みにくい食品に表示されています。
この賞味期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
それに対して消費期限は、お弁当、サンドイッチ、生麺、ケーキなど、傷みやすい食品に表示されています。また期限が過ぎると劣化が進み、食品の安全性をかく恐れがあります。
つまり、賞味期限切れのものであれば口にしても問題がありませんが、消費期限が過ぎたものだと食中毒の危険性が増すので口にしない方が良いです。

では、この期限を過ぎるとどうなるのでしょうか?

出典:「消費期限と賞味期限」(農林水産省)を加工して作成

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html

消費期限切れは食中毒の危険性が上がる!?

生肉や生魚などの生鮮食品は、傷みやすく食中毒の原因となる菌やウイルスが繁殖しやすい食品です。
その中でも、注意が必要な食品について3点紹介したいと思います。

ひき肉

ひき肉は、牛、豚、鳥などの肉が使用されていること多く、生肉をひき肉にするまで行程が長いため、その間に食中毒の原因となる菌やウイルスが付着しやすくなります。
食中毒の原因で特に注意したい細菌は、「腸管出血性大腸菌」、「E型肝炎ウイルス」、「サルモネラ属菌」です。
これらはいずれも熱に弱いので、しっかりと加熱してから食べることを心がけましょう。
また、菌やウイルスを繁殖させないことも重要です。
常温であると菌が繁殖しやすく、使うまでは冷蔵庫内に保存するか、長期間保存する場合は冷凍にしたほうが良いです。

生食用の魚

生魚は傷みやすい食材ですから、消費期限が短く表示されていることが多いです。そのため、消費期限が一日でも過ぎたら生では食べないようにし、しっかり加熱してから食べましょう。
しかし、強烈なアンモニア臭や生臭ささを感じる場合や表面がぬるぬるで魚の身が糸を引いている場合は腐敗が進行している可能性があります。
もったいないですが、食べるのはやめておきましょう。
魚には「腸炎ビブリオ」などの食中毒菌の他にも「アニサキス」や「クドア」などの寄生虫がついていることもあるので、注意しましょう。いずれも適切な方法で調理をすれば食べることができます。

卵には消費期限ではなく、賞味期限が記載されています。
1999(平成11)年の食品衛生法施行規則の改定により、殻つき卵の賞味期限は、「生食」をしても食品衛生上の問題がない期限を表示することになりました。
ただし、卵の表面にヒビが入っていたり、気温が高いところで保存した卵は食中毒菌の「サルモネラ」が繁殖している可能性があります。
サルモネラは、しっかりと加熱(75℃以上1分間)すれば死滅するので、賞味期限が切れたものは加熱してから食べましょう。

賞味期限だけではなく、保存方法も大事

賞味期限は、未開封かつ冷蔵保存や暗所保存などの定められた方法を守って保存した場合に品質が変わらず美味しく食べられる期限のことです。
「賞味期限が過ぎていなければ、安全」というわけではなく、賞味期限内であっても保存状態が悪ければ品質が劣化している可能性があります。
賞味期限、消費期限内であっても、食品の開封後は、食中毒の原因となる細菌やウイルスなどが混入する可能性が高くなるので、なるべく早く消費することが好ましいです。
おうちにある食べ物のストックを把握し、購入計画を立てることで、期限切れの食品廃棄を防ぎ、食品ロスを減らすように心がけましょう。

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