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知っておきたい「カカオ」と「チョコレート」のこと

冬はなぜか無性にチョコレートが食べたくなりませんか?
もちろん広告や店頭にたくさんの商品が並んでいるということも要因の一つかもしれません。
科学的な視点からいくと、気温が低い冬は体温が低下しないように脂肪を燃やして体温を上げるので、人間の基礎代謝が上がり、他の季節に比べてカロリーの消費量が増えるんだとか。そのため、消費したカロリーを補給するのに高カロリーのチョコレートを体が欲するのではないでしょうか。
今回は、「カカオ」と「チョコレート」についてご紹介していきたいと思います。

チョコレートの原料

チョコレートの主な原料は、カカオ豆です。カカオ豆はカカオの木から収穫され、発酵・乾燥・焙煎といった工程を経てカカオ分(カカオマスやカカオバター)となります。このカカオマスに砂糖やミルク、その他の素材を加えることで、さまざまな種類のチョコレートが生まれます

カカオは熱帯地域で栽培され、特に中南米やアフリカ、アジアの一部が主な産地です。また、近年ではカカオの栽培や加工におけるフェアトレードが注目されていて、生産者を支援する形で購入することができます。

カカオ分の違いによるチョコレートの種類

チョコレートにはさまざまな違いがありますが、原料に含まれるカカオ分の違いで大きく4種類に分類されます。

1. ミルクチョコレート

最も一般的で親しみがあるのがミルクチョコレートです。カカオマスにミルクや砂糖を加えるため、甘さとまろやかさが特徴。子どもから大人まで幅広い世代に愛される味わいです。

2. ダークチョコレート

カカオの含有量が高く、甘さ控えめでビターな味わいが魅力のダークチョコレート。ポリフェノールが多く含まれているため、美容や健康効果も期待できます。高カカオのものは口溶けが滑らかで、上質な味わいを楽しむことができます。

3. ホワイトチョコレート

ホワイトチョコレートはカカオバターをベースに作られており、カカオマスは含まれていません。そのため、チョコレート特有の苦味はなく、ミルキーで甘い風味が特徴です。見た目も純白で可愛らしく、華やかな贈り物としても人気です。

4. ルビーチョコレート

最近話題のルビーチョコレートは、ピンク色が美しい新しい種類のチョコレートです。特別なルビーカカオ豆から作られ、フルーティーで爽やかな酸味が特徴。見た目の可愛さから、特に女性へのプレゼントにぴったりです。

カカオ分による分類

チョコレートにはさまざまな商品がありますが、商品表示に、「準チョコレート」や「チョコレート菓子」と記載されているのを見たことはありませんか?
「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」では、チョコレートに関する製品は主に「チョコレート」「チョコレート菓子」「準チョコレート」「準チョコレート菓子」に分類されています。[1]
主な違いは次のとおりです。

1. チョコレート

  • 基準:
    • カカオ分: 製品に占めるカカオ分(カカオマス+カカオバター)が35%以上
    • カカオバター: 最低でも18%以上を含む必要があります。
    • 植物油脂: 原則として使用されません。
  • 特徴:
    • 純粋なチョコレートで、カカオの風味を楽しめる。
    • 板チョコや高カカオ製品など。

2. チョコレート菓子

  • 基準:
    • チョコレートが主体ではあるが、ビスケット、ナッツ、クリームなど他の素材が多く含まれる加工食品。
    • 製品全体の内容物に占めるカカオ成分の割合は基準以下。
  • 特徴:
    • チョコレートは成分の一部に過ぎず、他の素材との組み合わせがメイン。
    • チョコレート成分の割合は自由で、「チョコレート」という単独表記はできません。

3. 準チョコレート

  • 基準:
    • カカオ分: 製品に占めるカカオ分が15%以上35%未満
    • 植物油脂: 一部でカカオバターの代わりに使用される場合があります。
  • 特徴:
    • チョコレートよりもカカオ分が少なく、甘みが強い。
    • コストを抑えた製品や、チョコレート菓子のコーティング部分に使われることが多い。

4. 準チョコレート菓子

  • 基準:
    • 準チョコレートを使用した菓子。
    • チョコレートの代わりに、準チョコレートが菓子の一部または全体に使われている
    • 植物油脂が多く含まれる場合がある。
  • 特徴:
    • 準チョコレート特有の軽い口当たりとコストパフォーマンスが特徴。
    • 大量生産品や手頃な価格帯の商品に多い。

まとめ

カカオの産地や加工方法、そしてカカオ分による違いを意識することで、チョコレートの楽しみ方が広がります。さらにカカオには、健康や美容に役立つ成分も多く含まれています。日々の暮らしの中にチョコレートを取り入れることで、心と体の両方から活力が湧いてくるのではないでしょうか。お気に入りの一品を探しながら、カカオの奥深い世界に触れてみてくださいね。

【参考文献】

[1]チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則
https://www.yomeishu.co.jp/health/3961/

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