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【コラム】理想的な食事を叶える「PFCバランス」って知っている?

こんにちは!
暮らしに役立つ情報を随時発信!MOA-MOA SHOPです!
今回はこの方から教えていただきます!

料理教室Health Table 代表 土岡由季


13歳で発症した“1型糖尿病”を機に、幼い頃から食や健康についての学びを深め大学では生命科学を、大学院では食品化学を専攻。
大学院修了後は製薬会社開発職に4年半勤務。
糖尿病や肥満症をはじめ、数々の新薬開発に携わる。
現在は
[糖尿病でも大丈夫、大切な人と笑顔溢れる食卓を]
をモットーに、血糖値管理のための正しい知識や実践法を“料理”を通じて伝えている。
血糖値や料理を題材にしたお役立ち記事が並ぶInstagramも人気。

健康のために、野菜をたくさん食べれば大丈夫!
体重管理のためには、炭水化物、カロリーを抑えれば良いよね!と考えていませんか?
実はこれだけでは食事に偏りが出てしまい、かえって身体に負担をかけてしまう…なんてことも。
今日は、健康維持や無理なくダイエットしたい人にも知ってほしい “PFCバランス”について解説します。
バランスの良い食事って?日々の生活に取り入れるためには?そんな視点も踏まえながら解説いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

PFCバランスとは?

PFCとは、P:たんぱく質(protein)、F:脂質(fat)、C:炭水化物(carbohydrates)を表しています。これら3つの栄養素は、人間の身体になくてはならない栄養素です。各々の役割を簡単にご紹介いたします。

タンパク質

肉や魚、大豆製品に多く含まれており、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの成分となることや、ホルモン・酵素・抗体などの体を調節する機能もあります。不足すると、成長障害や、体力、免疫機能の低下などが起こります。

脂質

乳製品や油に多く含まれており、エネルギー源として、あるいは細胞膜を構成する成分や生理活性物質として働きます。過剰に取りすぎて余った脂質は、中性脂肪として体内に蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因となります。

炭水化物

白米、玄米、麺、果物、野菜では芋類に多く含まれ、食物として体内に取り入れられエネルギー源となる糖質と、体内の消化酵素では消化できない食物繊維があります。不足すると、エネルギー不足による疲労感や集中力の減少が見られることもあります。また過剰な場合、エネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となります。 このように3つの栄養素は各々役割が異なるため、極端にどれかを減らすことや大きな偏りがでると、必要なカロリーを摂取できていても、身体に不調をきたしてしまうことがあるのです。 [1-4]

目安となるPFCバランスは?

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活習慣病の発症予防とその重症化予防を目的として、目標量が設定されています。

上記病気のない方に対する目標量ですが、参考までに、糖尿病患者さんの目安量もご紹介いたします。“日本糖尿病学会の食事療法に関する提言”では、たんぱく質を20%以下、炭水化物を50〜60%、残りを脂質とすることが目安量として記載されています。糖尿病患者さんでも極端な糖質制限は推奨されておらず、バランスよく栄養素を摂取する事は、生きる上でとても重要なことです。 [1,5]

自分のPFCバランスを確認したい!そんな時は…

1日に食べたものを書き出してみるのがおすすめです。栄養素の比率を詳細に確認したい場合は、健康管理アプリを使用すると良いでしょう。日々の食事から多い栄養素、足りない栄養素それぞれを把握することで、食事を整えるための筋道が見えてきます。

PFCバランスを整えるためには?

目的に応じて、対策が変わります。

例えば、炭水化物を減らしたい場合

・主食の重ね食べは控え、おかずを加える

・野菜の中でも「芋類」はほどほどに、葉物野菜やキノコ類を活用する

・おやつは甘いお菓子に代わり、ナッツや無糖のコーヒー、紅茶に置き換える

脂質を減らしたい場合

・脂質たっぷりにならないよう、味付けや付け合わせを変える

・揚げ物や炒め物に代わり、油の使用の少ない煮物や蒸し料理を選択する

・スイーツは洋菓子でなく、プリンやゼリー、和菓子を選択する

難しく考えすぎず、いろんな食材を取り入れて

PFCバランスについて、内容と実践方法をお話しました。
“バランス”と聞くと、面倒、自分にはできない…と思うかもしれませんが、難しく考える必要はありません。
“色々な種類の食材を楽しむこと”を意識してみましょう。
1食で偏りが出る場合は、1日の中で調整しながら、柔軟に、心地よくバランスを整えていきましょう。

【参考文献】(すべて2022年5月27日閲覧)

[1] 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準, 2020年

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

[2] 厚生労働省. e-ヘルスネット たんぱく質

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html

[3] 厚生労働省. e-ヘルスネット 脂質

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-014.html

[4]厚生労働省. e-ヘルスネット 炭水化物

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-014.html

[5] 日本糖尿病学会. 日本糖尿病学会の食事療法に関する提言, 2013年

http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=40

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