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捨てられるはずの食品から染料を生み出す FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)の魅力

こんにちは!
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今回はこの方から教えていただきます!

2021ミス・アース新潟代表/ライター 

叶多 栞(かのうだ しおり)

環境保全を提言するミスコンテスト「ミス・アース・ジャパン」2021新潟代表・日本大会TOP10。同大会ではフードロスゼロ料理アドバイザーの資格を活かし「野菜を無駄にしない丸ごと料理」を発信。フードロス削減を呼びかけた。エコクッキングイベントや小学生向けのフードロス削減講座なども開催。

人と地球の美しさに貢献できる情報を発信する」というモットーのもと、ライターとして主にSDGsやサステナビリティ・健康に関わる分野の記事を執筆。


まだ食べられる食品が捨てられてしまう、フードロス問題。

家庭や企業、飲食店など様々な場所で食品ロスが発生しており、その量は年間523万トンにも及びます。※1

そんな中、「規格外」や「お茶の出がらし」など、企業や飲食店でやむを得ず捨てられてしまう部分を活用した、「FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)」という取り組みが注目を集めています。

FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)とは何なのか、どのような商品に活用されているのか、この記事でぜひ確認してみてくださいね。

FOOD TEXTILEとは?


FOOD TEXTILEとは、「廃棄される予定の食品から染料を抽出し、それを使って糸や衣類を染め上げる取り組み」です。

染料として使用される食品の例として、廃棄予定のコーヒー豆、形が不揃いで規格外となってしまったブルーベリー、塩漬けされた桜の花の茎などが挙げられます。 

近年問題になっている、大量の食品が捨てられてしまう、フードロス問題へのアプローチや、サステナブルな社会を目指すための取り組みとして注目されています。

FOOD TEXTILEの仕組み


色の原料となる、廃棄予定の食品を回収することから始まります。

FOOD TEXTILEを展開している会社は様々な日本の食材メーカーと提携しています。

例えば、全国のコーヒーチェーン店や生活雑貨を取りそろえる店舗、スーパーでよく見かけるメーカーなど、日常でも親しみのあるメーカーが挙げられます。※2

これらの会社から、やむを得ず廃棄となってしまう食材(染料となる食材)を回収し、独自の染色技術で染料を製造。

その後、ファッションブランド等と連携して商品化を行うというような仕組みです。

FOOD TEXTILEの魅力


FOOD TEXTILEの魅力は、その「」にもあります。

天然染料だからこそ、ふわっと優しく、繊細な色合いになるのがポイント。

染色が3層構造になっているため、角度によって色の見え方が変化するだけではなく、素材によって色の入り方も違うため、様々な風合いが楽しめます。

例えば、「抹茶」でそれぞれの生地を染めると、スムース素材ではくすみがかったうぐいす色に、ガーゼでは明るい黄緑色に、サテンでは灰色がかった茶色に近い緑色に染まります。

このように、同じ食材から10種類ほどの色が出るため、現在使用している食材の60〜70種類から、700〜800色ほどの色を展開しているのだとか。

様々な色調が出現するのも、大きな魅力の一つと言えますね。

次項からは、実際の商品を見ていきましょう。

どんな商品にFOOD TEXTILEが取り入れられているかチェック!

では、実際にどのような形でFOOD TEXTILEが取り入れられているのでしょうか。

実例を交えて確認していきましょう!

新潟のアパレルメーカーの例

※写真はイメージです

ニットの生産地として有名な新潟県中越地方にファクトリーを構えるブランドでは、FOOD TEXTILEを取り入れた衣類を販売しています。

規格外のルイボスの葉や、同じく規格外で出荷できなかったブルーベリーなどから染められたカットソーを5色展開しています。お好みのカラーを楽しめるのも魅力です。

さらに高い技術を持った職人の方が、ピュアオーガニックコットン100%の糸で編み上げるのだとか。

地域の伝統技術とFOOD TEXTILEが融合する形となっており、まさにサステナブルな取り組みと言えるのではないでしょうか。

世界的に有名なスポーツメーカーの例

※写真はイメージです

日本発祥のグローバルスポーツブランドでも、FOOD TEXTILEが取り入れられています。

2023には農園から買い取った、廃棄予定の野菜や茶葉を染料として使用したスニーカーが発売されました。

ルイボス・柿で染め上げた淡いオレンジ色と、抹茶・レタスで染め上げた明るい黄緑色のスニーカーの2色展開。

FOOD TEXTILEは染色する布によって色の出方が異なるため、ラバー部分やソール部分、アッパー部分の布、靴ひも部分でそれぞれ微細な色の違いが楽しめるのも特徴です。

限定商品のため2024年2月現在は販売していないようですが、今後もこのようなコラボレーションが実現するかもしれません!

米国初のコーヒーチェーン店

※写真はイメージです

日本国内やアメリカやアジアで100店舗以上展開しているコーヒーチェーン店でも、FOOD TEXTILEを活用したオリジナルトートバックが発売されています。

染料は実際にカフェで出たコーヒー抽出殻。

トートバックはカフェラテのような淡い色合いに染め上げられ、バッグ下部にブランドロゴが小さくあしらわれているのが特徴です。

通常では廃棄されてしまうコーヒーの抽出殻を再活用するのは、カフェチェーン店ならではの取り組みと言えるのではないでしょうか。

その他にも、コーヒーの抽出殻をカフェ店内の壁の塗料として活用するなど、フードロスに配慮する取り組みを積極的に行っているようですよ。

ナチュラルで優しい色合いが魅力のFOOD TEXTILEのアイテムを手に取ってみて

この記事では、廃棄される予定の食品から染料を抽出し、それを使って糸や衣類を染め上げる取り組み、FOOD TEXTILEについて紹介しました。

サステナブルな点だけではなく、天然染料だからこその優しく繊細な色合いや、様々な色調が現われることも魅力です。

様々な商品が発売されているようですので、ぜひ探してみてくださいね。

参考記事:
※1最新の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンに
※2 COLLABORATION PARTNERS|FOOD TEXTILE

(全て2024年2月閲覧)

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