【コラム】みずみずしくて甘い!新潟県オリジナル品種のいちご「越後姫」の魅力とレシピ
こんにちは!
暮らしに役立つ情報を随時発信!MOA-MOA SHOPです!
今回はこの方から教えていただきます!
日本野菜ソムリエ協会認定
野菜ソムリエプロ
原 早苗
日本野菜ソムリエ協会認定料理教室「美bi・菜sai・果ka」を主宰。
食卓を野菜で華やかに食卓にもっと果物を。
野菜と果物でからだの中から美しくをモットーに野菜の彩りを活かした華やかなお料理を提案しています。
野菜ソムリエプロとして農と食を繋げる活動も行っており、体験イベントやセミナーなどを開催し、多くの方に農業を身近に感じて頂き、食の楽しさ、大切さをお伝えしてしています。
越後天然ガス(株)の料理教室で講師をさせて頂く傍ら、ナチュレ片山本店で野菜アドバイザーとしても活動をしており、料理教室も行なっております。
5月は「いちご」の季節。
新潟には越後のお姫さまのようだと名付けられたいちご「越後姫」があります。
香り高く、果肉は甘くて柔らかく果汁が溢れ、とろける美味しさです。
いちご(苺)とは
バラ科オランダイチゴ属に分類される多年草
英名:Strawberry
和名:オランダイチゴ
別名:いちご(苺)
果実はつぶつぶの部分で赤い部分は花托(かたく)という花の付け根が発達して食用部となったもの。
いちごは、ビタミンCやアントシアニンが豊富で美容効果や老化防止効果が期待できます。
1日10粒食べるだけで風邪予防になるとも言われています。
ケーキやジャム、ジュースなどの加工利用も盛んで国産品だけでなく、アメリカなどからの輸入量も年々増加しています。
世界で栽培される品種の種類はそれほど多くはありませんが、日本では栽培地域ごとに様々な品種がブランド登録され、現在では300種類以上あるとも言われています。
今回は新潟で愛されているいちご「越後姫」を新潟市秋葉区の生産者 鈴木農園さんのいちごハウスを訪れてお話しをお聞きして来ましたので、そちらを交えながら、「越後姫」の魅力をお伝えしたいと思います。
越後姫とは
新潟県の園芸研究センターで6年の歳月をかけて育成された品種で、果肉が柔らかくて、果汁が多く、香りが良く、甘くて酸味が少ないという特徴があります。
新潟の冬はいちご栽培に適しておらず、従来の品種では甘くて大きないちごは育たなかったため、新潟の気象条件に適したいちごを作る研究が試みられ、1994年にその成果が実りました。
「可憐でみずみずしい新潟のお姫さまのようだ」
というところから名付けられた「越後姫」が誕生したのです。
現在では、新潟県全域で栽培されるようになり、新潟を代表するいちごとして知名度をあげています。
新潟市秋葉区でも盛んな「越後姫」栽培
誕生当時から新潟市や新発田市、五泉市など下越地方は栽培が盛んで、新潟市秋葉区では現在も多くの農家さんが栽培し、この時期は近郊の直売所やスーパーにたくさん出荷され、店頭に並んでおります。秋葉区満願寺で農業を営む鈴木農園の鈴木恵一さんもそのお1人です。
代々お米を中心に農業をされてらっしゃる鈴木さんは「越後姫」栽培の他にも、旬のお野菜など年間での栽培品目は多岐にわたります。
15年程前に先代であるお父様が、栽培を始めたのがきっかけだということで、栽培方法はハウス内での高設栽培で液肥を使った水耕栽培。
ハウス内に入った瞬間に甘い香りが押し寄せる幸せな時間を満喫。
「いくらでももいで食べていいよ」なんて太っ腹の鈴木さん。
少し頂きましたが「最高に美味しい〜」としか表現出来ず、ボキャブラリーのない情けない私ですが、本当にその一言に尽きるのです。
栽培を始めた当初はなかなか納得のいく「越後姫」が出来なかったといいます。
また、「越後姫」栽培は苗作りから収穫まで1年半かけてようやく収穫出来るそうです。
例えば、来年の3月に収穫を目指す場合、昨年の10月に原苗を購入し、プランターで育て始め、冬にわざと新潟の寒さにあてて、今年の9月にハウスの苗床に植え付けをして、約半年間大切に育てられながら、ようやく2月頃から収穫出来るようになります。
一番果と呼ばれる最初に実る「越後姫」は、味もさながらですが、驚きの大きさです。
1パックに4〜5粒しか入らない特大サイズなので、なかなかお目にかかれませんが、是非こちらも一度食べて頂ければと思います。
新潟県下越地方では一般的に2月初旬〜6月初旬までが収穫時期です。
寒さにあてて時間をかけることで甘くて美味しいいちごが育つとのことですが、他の農産物に比べると遥かに時間と手間のかかる作業で、新潟のお姫様は見た目は可愛らしいのに、なかなか手強いようですね。
今回農家さんを訪れて初めて知るご苦労、今までも目に見えないご苦労が、たくさんあったのではないかと感じずにはいられませんでした。
鈴木さんがそうして研究を重ねながら労力を注いできた「越後姫」栽培も12年が経過した3年程前にようやく満足のいくものに近い「越後姫」になったようだと言います。
それでもまだまだなんですと、将来の夢を語ってくれました。
「越後姫」は果肉が柔らかくて傷みやすく、他地域への発送が難しいため、最近では柔らかいフィルム素材に一粒ずつ浮かせて、衝撃を吸収しながらスレ傷を防止する特殊な発送用のパックが開発され、使用されています。
しかし、パックの価格が高騰した影響で、限定された方にしか「越後姫」を食べて貰えない、全国の多くの方にこの美味しさを伝えることが出来ないのが残念でならないと鈴木さんはおっしゃいます。
「今後もっともっとたくさんの方に食べて貰いたいという思いで、通常の発送にも耐えられる品質の高い「越後姫」栽培を目指して、日々研究を重ねて行きたい、もっと納得のいくものにしていきたい。」
と、優しい目をキラキラさせながらも強い口調でおっしゃっていたのが印象的でした。
農家さんの志の高さには学ぶところがたくさんあって、気が引き締まる思いです。
鈴木さんの目指す「越後姫」が流通して、新潟県内だけでなく、全国の多くの方にも食べて貰えるようになれば、虜になる方が増えて、必ず人気者になりそうですね。
新潟県人としても嬉しいことです。
鈴木さんの「越後姫」が今後どのような進化を続けていくのかとても楽しみです。
これからも応援していきたいと思います。
野菜ソムリエプロがお勧めする「越後姫」の楽しみ方
①新鮮な採れたてを食べましょう。
果肉が柔らかく、甘くてジューシー、採れたてを常温で食べるのが1番美味しい。
②食べる時はヘタ側から食べると美味しい。
ヘタ側に酸味があるので、酸味の強い方から食べると口の中に甘みが残ります。
③いろんな形にカットしたり、フルーツカッティングをして楽しみましょう。
輪切りやくし形、縦半分、輪切りなどいろんな切り方をしたり、ヘタ側から花びらのようにカットしてバラのお花にすると華やかになります。
④紅茶やハーブティーに混ぜてみましょう。
越後姫の甘い香りが広がるフルーツティーになります。
⑤冷凍庫で凍らせて氷の代わりにしてみよう。
小さい越後姫を氷の代わりにしてグラスに浮かすと可愛い。
⑥生クリームやチーズクリームと混ぜてみよう。
クリーム類と越後姫のコラボは絶品、スポンジケーキやパンケーキにどうぞ。
⑦彩り野菜や果物と一緒に食べよう。
いろんな野菜や果物と一緒に彩り良く、見た目に華やかで栄養価も高まります。
⑧牛乳や甘酒、炭酸飲料などの飲み物と混ぜていちごドリンクを作ろう。
スムージーはもちろんですが、越後姫の果肉の柔らかさとジューシーな特徴を活かし、潰して混ぜれば食感が楽しめるドリンクになります。
以上、楽しみ方や使い方はまだまだたくさんありそうですが、スイーツ作りはもちろん、お料理にも使えるんです。
ここからは越後天然ガス(株)様で、過去に開催した料理教室で人気だった「越後姫」レシピをご紹介したいと思います。
簡単なのに驚きの美味しさです。
是非作ってみてくださいね。
越後姫を使った人気レシピ
越後姫のリゾット
〈材料〉 2人分
越後姫 50g
白米 0.5合
タマネギ 1/8個
バター 10g.
固形ブイヨン 1/2個
ぬるま湯 300ml
〜仕上げ用〜
バター 10g
粉チーズ 10g
塩 少々
飾り用の越後姫 2粒
ハーブ塩、フレッシュハーブ 適量
〈作り方〉
①越後姫は洗ってヘタを取り、フォークで潰しておく。
お米はサッと洗ってザルにあげて水気をきり、タマネギはみじん切りにする。
②固形のブイヨンとぬるま湯で出汁を作り温めておく。
③鍋にバターを溶かし、タマネギ炒め、お米を加えて表面が透き通るまで炒める。
④②の出汁を半量(150ml)加えてフタをして、煮汁がなくなるまで煮たら、
フタを外して、残りの出汁を2回に分けて加えながら煮る。
⑤お米の芯が残る程度まで煮詰めたところで、フォークで潰した越後姫を混ぜて、
仕上げ用のバター、粉チーズを加えて混ぜた後、火を止めて塩で味を整える。
⑥器に盛り付けて、お好みの大きさに切った越後姫をのせて、
ハーブ塩を振りかけて、フレッシュハーブを飾って出来上がり。
越後姫と生ハムのサラダ
〈材料〉 2人分
越後姫 6粒
生ハム 4枚
サラダリーフ 適量
〜越後姫のドレッシング〜
越後姫 3粒(60g)
バルサミコ酢 小さじ2
レモン汁 小さじ1
ハチミツ 少々
オリーブオイル 大さじ1
〈作り方〉
①サラダリーフは食べ易い大きさにカットし、越後姫は一口大にカットする。
②ドレッシングの越後姫をみじん切りにして、他材料と混ぜ合わせて、
越後姫のドレッシングを作る。
③器にサラダリーフをのせて、生ハム、カットした越後姫をちらして、
②のドレッシングを回しかけて出来上がり。
越後姫のヨーグルトムース
〈材料〉 2人分
越後姫 100g
プレーンヨーグルト 50g
グラニュー糖 5g
ゼラチンパウダー 2.5g
水 大さじ1
越後姫ジャム 適量
ミント 適宜
※材料は2人分ですが、作り易い量は倍量の4人分です。
〈作り方〉
①越後姫、ヨーグルトは室温に戻しておく。
ゼラチンパウダーを分量の水でふやかす。
②越後姫をミキサーに入れて撹拌する。滑らかになったらヨーグルト、
グラニュー糖を入れて、均一になるまで撹拌する。
③ふやかしたゼラチンをレンジで完全に溶かして、②に入れてさらに撹拌する。
④しっかりと混ざったら、容器に均等に分け入れて冷蔵庫で冷やし、
固まったら、越後姫のジャムをかけて、ミントを添えて出来上がり。
まとめ
新潟のいちご「越後姫」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
魅力をまだまだお伝えしきれていませんが、とにかく一度食べていただければその美味しさの虜になります。
「越後姫」愛が強く、多くの方にこの美味しさを届けたいという思いは農家さん以上と自負しています。
今後も新潟のいちご「越後姫」の魅力を引き出し、農家さんを応援しながら、新潟の野菜ソムリエプロとして、新潟を代表する美味しさを伝えていければと思っています。
これからGWに突入し、県外から新潟へ訪れる方も多いと思います。
「越後姫」は新潟県内の直売所やスーパーなどにたくさん並んでおります。
今回ご協力頂いた鈴木農園さんの「越後姫」と旬のお野菜はウオロク新津店、JA新潟かがやき ベジらンドにいつ店で購入出来ますのでお近くにお立ち寄りの際は是非お手に取って頂ければと思います。
鈴木農園
住所:新潟市秋葉区満願寺 5280番地