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【コラム】低糖質ダイエットでは痩せない?3つの落とし穴

こんにちは!
暮らしに役立つ情報を随時発信!MOA-MOA SHOPです!
今回はこの方から教えていただきます!

料理教室Health Table 代表 土岡由季

13歳で発症した“1型糖尿病”を機に、幼い頃から食や健康についての学びを深め大学では生命科学を、大学院では食品化学を専攻。
大学院修了後は製薬会社開発職に4年半勤務。
糖尿病や肥満症をはじめ、数々の新薬開発に携わる。
現在は

[糖尿病でも大丈夫、大切な人と笑顔溢れる食卓を]

をモットーに、血糖値管理のための正しい知識や実践法を“料理”を通じて伝えている。
血糖値や料理を題材にしたお役立ち記事が並ぶInstagramも人気。

糖質をオフしているのに、痩せない!

体重を落とすため、ご飯や麺類は止めよう!と決意し、実行するも…“あれ?体重が落ちない…。”
そんな経験はありませんか?
今日は、糖質オフダイエット初心者さんが陥り易い、3つの落とし穴について解説いたします。
あなたは正しく糖質オフできている?そんな視点も踏まえてご覧ください。

1.食欲が増し、食べる回数が増えてしまった

脳や神経、筋肉など、体には糖をエネルギー源として使用する組織があります。
そのため、糖質が不足すると、エネルギー不足による疲労感や集中力の減少が見られます。
これらと共に空腹感を感じて、気づいたら甘いお菓子に手が伸びている…なんてこと、ありませんか?
せっかく食事で糖質を減らすよう意識していても、間食が増えてしまったら、摂取カロリーは減らず、体重も思うように減らないかもしれません。

2. 筋肉が減り代謝が落ちる

筋肉もまた、糖をエネルギー源として利用する組織の一つです。
糖質が不足すると、肝臓や脂肪に蓄えていた糖を分解し補給しますが、極端に減らしすぎると、体の中のタンパク質を分解し、エネルギーを作り出します。
こうしてタンパク質が使われることで、筋肉を作るための材料が減り、トレーニングをしても、筋肉がつきにくく痩せにくい身体となってしまう可能性があるのです。

3. 糖質をオフしていても摂取カロリーは落ちていない

体重、特に体脂肪は摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで増加します。
この摂取カロリーの元となる栄養素、つまりエネルギー源となる栄養素は、糖質に加え、タンパク質と脂質も含まれます。
糖質とタンパク質は1gあたり約4Kcalですが、脂質は9Kcalあります。
そのため、肉類や乳製品、ナッツなど脂質を多く含む食材は、少量でも高カロリーとなるのです。
“主食以外は、好きなだけ食べていい!”と考え、脂質の多い食品の摂取量が増えた場合、かえって摂取カロリーが増えている…なんてことも。 [1]

無理なく、継続できる方法で

低糖質食を実践することで、体重減少が確認された研究は数多く存在しますが、それらの多くは、糖質の量はもちろん、脂肪やカロリー、食物繊維など、糖質以外の摂取量も、厳格に規定されています。
糖質だけをオフすれば、簡単に痩せられる!というものではないのです。
糖質オフを取り入れる際は、本日綴ったことにも意識を向けながら、無理なく、心地の良い方法で行いたいですね。 [2]

【参考文献】(すべて2022年8月24日閲覧)

[1] 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

[2] Fred Brouns, Overweight and diabetes prevention: is a low-carbohydrate-high-fat diet recommendable?. European Journal of Nutrition. 2018, 57:1301–1312

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29541907/

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