知らなかった!脂質と血糖値の深〜い関係とは?!
こんにちは!
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今回はこの方から教えていただきます!
料理教室Health Table 代表 土岡由季
13歳で発症した1型糖尿病を機に、幼い頃から食や健康についての学びを深め大学では生命科学を、大学院では食品化学を専攻。大学院修了後は製薬会社開発職に約5年勤務。糖尿病や肥満症をはじめ、数々の新薬開発に携わる。現在はHealth Table代表として料理スクールを運営、他Health Chefとして、食研究や商品開発・プロデュースを手がける。血糖値や料理を題材にしたお役立ち記事が並ぶInstagramも人気。
「血糖値が気になる」と感じたとき、日々の食生活で“糖質量”を意識するようになると思います。
しかし、血糖値に影響を及ぼすのは “糖質だけ”なのでしょうか?
今回は、三大栄養素で知られる「炭水化物(糖質)」、「脂質」、「たんぱく質」の中の「脂質」に着目し、血糖値との関連について紐解いていきます。
コラムの後半には、毎日の食卓ですぐに活用できる食材の選び方や調理のポイントもお伝えします。
ぜひ、最後までご覧ください。
脂質ってなに?
脂質は、エネルギー源となる栄養素で、ビタミンの吸収を助ける働きがあります。炭水化物やタンパク質よりも1gあたり2倍以上のエネルギーをもつことから、エネルギー源として優先的に脂質を蓄えると考えられています。[1]
脂質が血糖値にもたらす要因
消化と吸収を遅らせる
血糖値を上げる主な要素は、炭水化物の中に含まれる糖質ですが、タンパク質や脂質も間接的に、血糖値の変動に影響することがあります。
例えば、ご飯と一緒におかずを食べると、血糖値の上昇を遅らせることが知られています。
これは、おかずに含まれる脂質が胃の排出を遅らせることが主な要因だと考えられています。
食事に含まれる脂質が消化を遅らせると、炭水化物もよりゆっくりと吸収されるため、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。
一方、脂質を多くとり過ぎると、血糖値が下がりにくくなることがあります。
理由は先程綴ったように、炭水化物がよりゆっくりと吸収されることから、結果として血糖値が長時間にわたって高い状態を維持することがあるのです。[1]
インスリンが効きにくくなる?!
脂質の高い食事が継続し体脂肪が増えると、インスリンが効きにくくなり、血糖値が高い状態が長く続くことがあります。これを、インスリン抵抗性と呼びます。
特に肉類や乳製品に含まれる「飽和脂肪酸」を多く摂取することでインスリン抵抗性が高まり、糖尿病のリスクが高まることが知られています。
また飽和脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールを上昇させることが知られており、脂質異常症から動脈硬化へ、他の病気を招く可能性もあるのです。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人における飽和脂肪酸の摂取を、総エネルギー摂取量の7%以下(1日に2000キロカロリーを摂取する場合、14グラム以下)にすることを推奨しています。[1-4]
脂質と上手に向き合うためには?料理で叶う工夫とは?
食べ物を選ぶ際は脂質の量に加えて、またどの食材から脂質を摂取するかなど、脂質の質も考慮し、魚や植物性の食材や加工されていない食品を取り入れるのが良さそうです。
・肉はモモ肉やヒレ肉・鶏胸肉やささみ肉など、脂身の少ない部位を楽しむ
・メインとなるおかずはお刺身や焼き魚などの魚介類、お豆腐などの豆類を取り入れる
・乳製品に代わり、豆乳やオーツミルクなどの植物性のミルクを取り入れる
・調理の際はラードやバターに代わり、オリーブオイルや米油などの植物性の油を活用する
血糖値を管理する目的 “動脈硬化”という視点も忘れずに
血糖値と脂質の関係について述べましたが、いかがでしたか?
血糖値と向き合っていると、糖質ばかりに気がとられてしまう方もいらっしゃるかもしれません。ですが、長い目で見て健康を志すためには、偏った食事よりもさまざまな食材を取り入れた食事の方が近道かもしれません。
植物性の食材や魚介類には、お肉とは異なるうま味成分が含まれています。
四季のある日本で、季節に応じたさまざまな食材を楽しみながら、食生活を豊かにしていきたいですね。
【参考文献】(すべて2024年6月10日閲覧)
[1] 厚生労働省:脂質
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf
[2] 厚生労働省:eヘルスネット|インスリン抵抗性
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html
[3] 厚生労働省:eヘルスネット|脂質異常症
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html
[4] 厚生労働省:eヘルスネット|不飽和脂肪酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html