【コラム】食べても血糖値が上がらない食材はこれ!知っておきたい食材の見分け方と落とし穴
こんにちは!
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今回はこの方から教えていただきます!
健康診断で“血糖値が高い”と指摘された方や、糖尿病と診断された方は、食べ物に意識を向けるかもしれません。
でも、「血糖管理に良い食べ物って何?」と思いますよね。
今日はそんな悩みに答えるべく、血糖値を上げないとされる具体的な食べ物と、あわせて知っておきたい注意点をお話しします。
料理教室Health Table 代表 土岡由季
13歳で発症した“1型糖尿病”を機に、幼い頃から食や健康についての学びを深め大学では生命科学を、大学院では食品化学を専攻。
大学院修了後は製薬会社開発職に4年半勤務。糖尿病や肥満症をはじめ、数々の新薬開発に携わる。
現在は
[糖尿病でも大丈夫、大切な人と笑顔溢れる食卓を]
をモットーに、血糖値管理のための正しい知識や実践法を“料理”を通じて伝えている。
血糖値や料理を題材にしたお役立ち記事が並ぶInstagramも人気。
食べても血糖値が上がらない食べ物は、ズバリこの2種類!
結論からお伝えすると“血糖値が上がらない”または“上がりにくい”と表現される食べ物は、以下どちらかに該当することが多いです。
- 糖質が少ない食べ物
- “糖質はある程度あるが、食物繊維を多く含む食べ物
それぞれ順に、深く解説していきます。
1.糖質が少ない食べ物
血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度を示します。そのため、糖質が少ない食べ物、いわゆる“低糖質”な食品は、食べても血糖値が上がりにくいのです。
食品で例えると、肉類や魚介類、卵、葉物野菜やきのこ類が該当します [1]。
糖質が少ない食べ物なら、いくら食べてもいい?
結論、これら全ていくら食べても良い!というわけではありません。
なぜなら、低糖質な食べ物=低カロリーとは限らないから。
例えば肉類やチーズ、卵などは脂質を多く含みます。
糖質が低くとも、脂質が多い場合、カロリーが高くなりがち。
食べすぎてしまうと体重増加の要因ともなり得ます。
さらに、これら動物性の食品に含まれる脂質は、動脈硬化や糖尿病の発症リスクを増大させると考えられており、食べすぎには特に注意をしたいのです。[2]
2. 糖質はある程度あるが、食物繊維を多く含む食べ物
“ベジファースト”という言葉を聞いたことはありますか?
これは、食事の前半に野菜を食べると、食後の血糖値の上昇が穏やかになる、という考え方です。
食べる順番を意識するだけで、なぜ血糖値が穏やかになるのでしょうか?ここでキーとなるのが“食物繊維”です。
野菜に含まれる食物繊維によって、消化・吸収のスピードが穏やかになり、食後血糖値の上昇も緩やかになると考えられています。
食物繊維を豊富に含む食べ物は、野菜やきのこ類、海藻類、穀類では玄米、雑穀米、大麦ごはん、全粒粉パンやオートミールなどが該当します。
日本人の2型糖尿病患者を対象に行われた研究では、食物繊維の摂取量が多いほどHbA1c(過去1、2ヵ月の平均血糖値を反映する値)のレベルが低いことが示されました。
こうした研究を踏まえて、成人では20g/日以上摂取することが推奨されています [3]。
食べるときの注意点
食物繊維が多いからといって、好きなだけ食べて良いわけではありません。
例えば、ご飯(七分づき)と玄米を比較してみましょう。
玄米にすることで、食物繊維の摂取量は増えますが、糖質量自体は大きく変わりません。
*1:単糖糖量を糖質量と表示
150gあたり | カロリー(kcal) | 糖質量 *1 (g) | 食物繊維(g) |
玄米 | 228 | 51.3 | 2.1 |
七分づき ご飯 | 240 | 54.3 | 0.8 |
玄米だからいくらでも食べていい!と考え食べ過ぎてしまうと、かえって血糖値の上昇を招いてしまうかもしれませんね。
また、せっかく食物繊維を含む食材を一緒に食べても、食べるスピードがそもそも速い場合、自ずと消化吸収のスピードが速くなります。
せっかく食品選びにこだわったとしても、食後の血糖値が改善されない…なんてことも。
血糖値の上昇を考慮するなら、何を食べるかも大事ですが、“どう食べるか“も同時に意識したいですね[2, 3] 。
メリットとデメリットも理解したうえで、心地よく食材を選んで
食べても血糖値が上がらない食べ物と、その落とし穴についてまとめました。本日紹介した食品は、確かに血糖値管理に役立ち、1型糖尿病である私も日頃から取り入れています。
しかし、食べる量や食べ方には、しっかりと意識を向けることが大切。
自分に必要な量を心地よく取り入れるよう心がけ、無理なく、食品を選択していきたいですね。
【参考文献】(すべて2022年7月28日閲覧)
[1] Fujii H, et al.: Impact of dietary fiber intake on glycemic control, cardiovascular risk factors and chronic kidney disease in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus: the Fukuoka Diabetes Registry. Nutr J, 2013, 12:159-165
[2] 文部科学省 日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
https://link.springer.com/content/pdf/10.1186/1475-2891-12-159.pdf
[3] 日本糖尿病学会:診療ガイドライン, 食事療法 (2019)
http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-03.pdf