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洪水災害から自分と家族の命を守ろう ~早めの“適切な避難”って、どんな避難?~

こんにちは!
暮らしに役立つ情報を発信!MOA-MOA SHOPです!
今回はこの方から教えていただきます!

NPO法人ふるさと未来創造堂 
常務理事兼事務局長

中野 雅嗣(なかの まさつぐ)

「人とかかわり、地域と共に学ぶ」「地域をより深く知り、郷土愛を深める」よりよい未来を創る防災共育の推進・定着を目指し、未就学児から高校生、その保護者、地域住民を対象に、子どもも大人も「わくわく」する防災共育の企画や実践に取り組む。

近年、日本全国で洪水災害が毎年のように発生しています。洪水災害は、突然発生する地震とは異なり、ある程度の予測が可能な自然災害です。気象情報や避難情報を活用することで、「早めの適切な避難行動」によって命を守ることができます。今回は、洪水災害から自分と家族の命を守るための「適切な避難行動」の考え方を一緒に学びましょう。

洪水災害からの避難って?

内閣府のホームページによると、「避難とは、難を避けること全体を指しており、学校や公民館といった指定緊急避難場所への移動だけが避難というわけではありません。住んでいる地域やそのときの状況、人によって方法は異なります。」と記載されています。[1]
洪水災害からの避難には、大きく分けて2種類があります。

立ち退き避難

イラスト引用:政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201906/2.html

浸水する危険性のある自宅や場所から、安全な場所に避難することです。水平避難・広域避難と呼ばれることもあります。

・学校や公民館といった指定緊急避難場所に避難する
・安全なホテル・旅館などの宿泊施設に避難する
・安全な親戚・知人宅に避難する

屋内安全確保

イラスト引用:政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201906/2.html

ハザードマップで次の「3つの条件」をクリアしている場合に、立ち退き避難に替えて、自宅・施設などに留まって安全を確保することです。自宅の上階などに留まり安全を確保する行動から、垂直避難・在宅避難と呼ばれることもあります。[1]

【3つの条件】
・家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流または河岸浸食)に入っていない[1]
・浸水深より居室が高い[1]
・水がひくまで我慢でき、水・食料などの備え(7日分を推奨)が十分にある[1]

さて、大雨が降り続き、河川があふれるかもしれない。そのとき、あなたはどの避難を選択しますか?誤った避難行動は命に関わります。自分と家族の命を守る適切な避難をするために「洪水ハザードマップなどで居住地域の災害リスク(危険性)」を調べておきましょう。

私の地域はどうなる?洪水ハザードマップで災害リスクをチェック!

洪水ハザードマップは、自治体のホームページや防災アプリで確認することができます。

・河川があふれた時に、どこが・どの程度浸水する可能性があるか。
・指定緊急避難場所(または指定避難所)はどこか。
・家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流・河岸浸食)はどこか。などが調べられます。

河川があふれた時の浸水する範囲や深さ、指定緊急避難場所(または指定避難所)は?

ハザードマップは河川があふれた時に、想定ではどこが・どの程度浸水するかを地図に色で示してあります。(写真例のように表示)何も色が塗られていない(白色)場所は、自治体の想定では浸水が予想されていないということです。また、洪水災害時に避難可能な指定緊急避難場所も調べられます。
なお、地震時には避難場所や避難所になる施設などが、洪水災害時には避難場所にならないこともあります。必ず確認しておきましょう。

家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流・河岸浸食)って?

氾濫流

「氾濫流」は堤防の決壊などが発生すると、激しい水の流れで木造家屋は倒壊するおそれのある区域です。[3]

一部改変して引用:「わが家の防災タイムラインシート(中学生~大人用)」,長岡市

河岸浸食

「河岸浸食」は、増水した川の流れで土地が削られて、その土地の上にある家屋が倒壊するおそれのある区域です。[3]

一部改変して引用:「わが家の防災タイムラインシート(中学生~大人用)」,長岡市

これらの区域に自宅が入っている場合は、より早いタイミングで立ち退き避難をしましょう。

あなたと家族にとっての“適切な避難行動”は?

一部改変して引用:北区河川別ハザードマップ,新潟市北区地域総務課

洪水ハザードマップで居住地域の災害リスクを調べて、自宅での屋内安全確保が可能かを確認し、屋内安全確保が可能なら、1週間程度の食料や必需品を備えましょう!
安全確保が困難または食料などの備えが難しい場合は、指定緊急避難場所などへの立ち退き避難をしましょう。道路冠水が起こった後の避難や夜間の避難は大変危険です。気象情報や避難情報を活用して、早めの立ち退き避難ができるよう、いつのタイミングでどこに避難するのかを日頃から決めておきましょう。

【参考文献】

[1]「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう,政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201906/2.html

[2]2.家屋倒壊等氾濫想定区域,国土交通省中部地方整備局
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.cbr.mlit.go.jp/shizukawa/bousai/shinsui/pdf/reference45.pdf

[3] 避難行動判定フロー・避難情報のポイント,内閣府
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201906/2.html

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