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暑い季節に気をつけたい!細菌性食中毒の対策方法

食品などを介して有害な微生物や細菌、ウイルスを取り込み健康被害が起こることを一般的に「食中毒」といいます。
厚生労働省の統計によると令和5年の1年間に、食中毒となった事件は1,021件(11,803人)で、そのうち4名の方が亡くなっています。
家庭では112件発生しており、全体の1割に及びます。[1]
このように、食中毒は家庭で発生することも珍しくありません。

夏は細菌性食中毒に注意!

食中毒というと、夏場に発生しやすいというイメージをもつ方が多いのではないでしょうか?
実は、食中毒は原因によって発生しやすい時期があります。
高温多湿になる6〜8月は細菌が原因となる食中毒(細菌性食中毒)が増え、気温が低く乾燥しやすい11月〜3月はウイルスが原因となる食中毒(ウイルス性食中毒)が増殖しやすい季節です。
細菌の多くは高温多湿の環境を好んでおり、気温20℃以上になると活発になり、25℃以上で湿度が70%以上で最も増殖が起こりやすいそうです。
そのため高温多湿となる夏場は、細菌による食中毒がとても増えやすくなります。
ウイルス性の食中毒菌は食品上で増えないため、ウイルスを食品に付けないという対策が大切です。
ウイルスは気温が低く乾燥している環境で長く生存するため、冬場(11〜3月)が発症のピークとなります。

細菌性食中毒を起こさないようにするために

食中毒を引き起こす細菌はとても小さいので、食品を見て付いているかを判断することはできません。
そこで細菌性食中毒の対策では次の3点がとても重要です。

・細菌を食べ物に「付けない
・食べ物に付着した細菌を「増やさない
・食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける

細菌を付けない

手にはたくさんの細菌が付着しています。
食材や食器に触る前はもちろん、生の肉や魚、卵を取り扱った後もしっかりと手を洗いましょう
さらに、生の肉や魚を扱ったまな板や包丁などは、他の調理を行う前にしっかりと洗うことを心がけましょう。まな板や包丁は肉、魚、その他のように使い分けるとより一層安心です。

細菌を増やさない

細菌は時間とともに増殖します。
例えば大腸菌の場合、条件が整った状況では20分で倍に増えます。細菌の多くは高温多湿な環境を好んでおり、増殖が活発となります。
温度が下がるにつれ増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。
そのため食品に付着した細菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。

細菌をやっつける

多くの細菌やウイルスは高い温度に弱く、食材の中心まで熱が通るように加熱することでほぼ死滅します。調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。生の肉や魚を調理した後は洗剤で洗ったり、熱湯をかけて殺菌しましょう。

こんな症状が出たら食中毒かも?

一般的な食中毒の症状として、「吐き気」「嘔吐」「腹痛」「下痢」が挙げられます。
原因となる細菌やウイルスを取り込んでから症状があらわれるまでの期間を「潜伏期間」といいます。多くの食中毒は、潜伏期間が1〜2日後ですが、長いものでは1週間以上経ってから症状があらわれることもあります。
食中毒が疑われる場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。

まとめ

今の暑い季節は、高温多湿の環境を好む「細菌が原因となる食中毒」が発生しやすくなっています。
細菌性食中毒予防のために、「付けない」、「増やさない」、「やっつける」を心がけて食中毒を起こさないように気をつけましょう!

【参考文献】(すべて2024年7月16日閲覧)
[1]厚生労働省:令和5年食中毒発生状況

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html

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